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名は体を表す

サドラーにメジロと惜別の文章が続いたのでやめとくかとも思ったが、やはり現役時も知っている者として軽く書いておこうと思う。

サクラバクシンオーのことだ。

80年代後半から90年代前半にかけては、それまで路傍とされていた分野にもレース体系の整備の手が入った時期だった。スプリント路線もその一つで、それまでは「距離の持たない馬が走るレース」という色合いが濃かった短距離戦が、90年にスプリンターズSがG1へ昇格したことで、一つの分野として確立されるに至る。

ただ、そのころの競走体系整備は同時に重賞のインフレ化も懸念されていたところもあり、自分もそういう意識はかなり持っていたと思う。G1なんて言ったってカタチだけで中身が伴わないんじゃ意味がないだろうと。

そういう中でサクラバクシンオーは、スプリンターの価値を知らしめるに十分かつ必要な強さを見せつけていた。1400以下なら無類の強さを誇り、1200なら世界でも一番速いだろうと思わせるだけのスペシャリスト。

もしバクシンオーがマイルや中距離を主戦場にしつつ1200にも対応できる類のランナーだったとしたら、スプリント路線が評価されるのはまだ先になったのではないか。そう考えると路線が整備された時代の僥倖を甘受したばかりではなく、むしろスプリント路線に命を吹き込んだ存在としてあの鹿毛馬の果たした役割は評価されるべきだろうとは思っている。だから、引退レースのスプリンターズSは最も”らしい”レースだが、その前走、ノースフライトに完敗したマイルCSこそがバクシンオーをバクシンオーたらしめるベストレースだったと敢えて言いたい。

さらにサクラ+小島太という、よくも悪くも鋭角な個性がそれであったことが、短距離路線という一つの世界の輪郭をよりはっきりとさせたのだろう。

また種牡馬としても高い勝ち上がり率を弾きだし、*サンデーサイレンス系がリーディングを席巻する中でこの父内国産のサイアーがベスト10を守り続けているのは、凄いことだと思う。それもほぼ短距離の「専門職」に特化しているのが強みであり味わい深いところでもある。

サクラで付記しておくが、バクシンオーの1つ前の世代のサクラヤマトオー。6頭立てのディセンバーSで前が詰まり人気を裏切った小島太の伝説レースで有名だが、繋養されていた仙台の乗馬クラブが先の震災による津波に遭い、死亡したそうだ。バクシンオーともども、冥福を祈りたい。

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