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金色の勝利

なぜかその名が記憶の片隅にひっかかっている馬がいるもので、例えばエレクトロアートもそんな1頭だ。桜花賞に出走した3歳のころはまだ競馬を見ていないので、おそらくキャリア後半の函館かどこかで印象が刻まれたのだろう。

エレクトロアートは学研の創設者で、*シェイディハイツやステージチャンプらの馬主としても有名な古岡秀人氏の所有馬だった。22戦4勝の成績を残して白老ファームで繁殖入りしたエレクトロは5頭の仔を残すが、うち牝馬は1頭だけだった。

その唯一の後継牝馬がオリエンタルアート。

オリエンタルアートの4代母Coastal Trade(沿岸交易)はその父Coastal Traffic(沿岸交通)からのもちろん連想馬名。3代母のDhowというのは調べてみるとアラブの伝統的な帆船のことで、なるほどオリエンタルアートというのは母系に連なる馬名から東へ航海する船の姿を想像しつつ、エレクトロ「アート」を借りた上手い名前なのだなあと感心したものだった。

それを踏まえてみてみれば、オリエンタルアートの仔がドリームジャーニー(夢のような旅路)というのも味わい深いものがあるし、さらにステイゴールドからの連想でオルフェーヴル(金細工師)というのもまた、流れとしては非常に美しい。

さて、前置きばかり長くなったが、ダービーは見事な勝利だった。

雨が降り続いた府中はかなりヘヴィな馬場になっているのは現地にいてよくわかったし、皐月と違ってキツくマークされる立場。どこか頼りきれない父や兄のキャラもまた、この人気馬に信頼を置ききれない一因だったのかもしれない。

しかし結果は見てのとおりで、直線も苦しいところから抜けだしてきた脚は本物。馬場の巧拙というレベルを越えて純粋な力の差が顕になるレースだったのだと思う。

イギリスから帆船に乗って海を渡り、東洋の島国に辿り着いた血。雨の中で光り輝く金色の馬を、シェイク・モハメド殿下はどんな面持ちで眺めているのだろうか・・などと想像したら、ちょっと愉快な気持ちになった今年のダービーだった。

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