キングメイカーの存在感
ヤマニン軍団の今年の2歳馬メンツをつらつらと眺めていたらヤマニンオリアンという牡馬に目が留まった。*マダニナの仔ヤマニンクイーンにローエングリンという配合馬で、Sadler's Wellsの3×4というクロス持ちだ。
ついこの間までサドラー直仔を観ていた気がするのは歳を取ったせいなのかもしれないが、考えればサドラー自身は81年生まれなのだから、もう4代前に名が出ていても別に不思議ではなかった。例えばソングオブウインド産駒なら、エルコンが持つサドラーは4代前だし、Nureyevなら5代前になる。
さて、サドラー近交馬の中で先駆けてG1級の結果を出したといえば、08年にドイツダービーを勝ったKamsinあたりだろうか。
同馬の母Kapitolは名馬Konigsstuhlらを産んだ「イニシャルK」の母系に、サドラー系のWinged Love(愛ダービー)という血統。そこにサドラーを3代前に持つSamumを配している。しかしてKamsinはサドラーの4×4となっている。
ドイツ馬産の視座からこの配合を解説するのは適任者に任せるけれど、少なくともKamsinの場合はサドラーは仕掛けの一つに過ぎない。とは言えレーポスでTony Morrisが指摘していたように、Kamsinがドイツダービーを勝った時点ではまだ珍しい部類に入るこの近交が近い将来にはポピュラーなそれになるのは間違いわけで、様々な意味でモデルケースではあったのだろう。
まあ日本ではどうなのと単純に想像すれば、芝の上がり勝負では買えそうにないジリ脚ホースが目に浮かぶけれども。
さて、話をヤマニンに戻そう。
好きだったシュクルの初仔ヤマニンシャム(父ディープインパクト)は体質等の問題で川崎デビューとなり、競走中止し予後不良という結果に。2番仔のアドムー産駒ヤマニンブリスは順調そう。フサコン×*アレミロード牝馬というヤマニンヘプタゴンはいまさら感が漂わないわけではないが、地味に期待。
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