それぞれに秋風
アクセス解析を覗いたら、ここ数日、普段の2倍ほどの訪問者があった。その多くは「早田光一郎」を検索しての来訪であり、どうやらGallopに早田氏のインタビューが掲載された影響のようだ。
以前に連載した「果ての春雷~早田牧場85年略史」は、数年前に書いてあった文章にちょっと手を加えたもの。自分が競馬に傾倒していたころ最も勢いのあった牧場であり、リアルタイムで感じたその盛衰を何らかの形で描いてみたいというのが、そもそもの出発点だった。
本編でも書いたが、早田光一郎氏の評価については多様な意見があるだろう。かく言う私も色々と想いはあるのだが、だからこそエモーショナルな表現は抑えて歩みを辿りたかったのである。
刑期を終えて出所した早田氏がどのような心境で今回の取材を受けたのかはわからないが、その表情がすでに勝負師のそれでないのは印象的だった。かつて早田牧場と深い関係にあったシルクホースクラブは今年、社台グループと提携することになり、天栄ホースパークもまたノーザンファームの傘下に入った。JRAに残っていた最後の「早田牧場新冠支場」生産馬シルクアルボーレも引退した。
節目、ということだろうか。
烈夏を越えて、吹いているのは秋風である。
さて、早田牧場生まれの名品と日高サンデーの傑作とが産んだ傑物ブエナビスタは、直線で行き場を失う不利もあって天皇賞では4着に敗れた。充実していた昨秋に比べれば物足りなさを感じるのも正直なところだが、2歳時からほぼ一貫してトップフォームを維持しつつ4シーズン目を迎え、なお牡馬相手のG1で健闘するというのは、やはり稀有な存在ではある。
今年ややパフォーマンスの低下が見て取れるGoldikovaもまた、同じように言えるだろう。Zarkavaと刃を交えた3歳時から6歳の今まで、世界のマイル戦線はこの牝馬を中心軸として廻ってきた。BCマイル4連覇という空前の記録を達成して引退に華を添えられるかどうか、週末のチャーチルダウンズに注目したい。
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コメント
早田光一郎さん
お元気そうでしたね。
ギャロップ買いそびれて発売週末にコンビニ七軒目で、なんとか購入出来ました。
やはり競馬界には未練は無いんでしょうか?街の獣医師で、人生を全うするんでしょうか。凄く勿体ない。本文中にもありましたが、ヴィスリーガルを購入してきた時のインタビューの経緯が、マーベラスサンデーに繋がっていくのだなって、思ったらなんか嬉しくなってきました。
今週末の
母父ナリタブライアン
のオールアズワン
休み明け2走目
応援馬券投票します。
また
更新楽しみにしてます。
投稿: チャーリー | 2011年11月15日 (火) 09時42分