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2012年2月

テスタマッタ小噺

*テスタマッタの父Tapitは、2歳時にローレルフューチュリティ(G1)を制し、クラシック路線でもウッドメモリアルを勝ってケンタッキーダービーに3番人気で臨んだ有力馬だった。レースでは残念ながらSmarty Jones無敗の進撃に屈して9着に終わったが、その仕上がりの早さとスピードはもちろん、世代のトップグループに位置していた。

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リーコン引退に寄せて

いろいろと想いがある一頭だったので、軽く書いておく。

キャロットで出資していたリーチコンセンサスが引退した。

2歳夏のデビュー以来、大きな故障もなく走り続けること31戦というキャリアの意味は、特に一口をやっている方にはよくわかっていただけるだろう。そして4勝という勝ち鞍以上に、負けたレースでもいつも懸命に追い込む健気さ(と、もどかしさ)が好きだった。掲示板に乗ること実に24戦、6着以下となった7戦も最後のダート戦を除けば勝ち馬からすべて1秒以内という堅実さである。

その結果、1600万円の募集価格の彼女が獲得した本賞金は約1億1千万円に達し、この文章を書いている時点で、80頭近い同期キャロットの中で回収率トップだ。なんという出資者孝行だろうか。

同期のブエナビスタが走り抜けた華やかな舞台からには縁遠く、重賞にすら出走したことはないリーコンは、例えればクラスの中でも目立たたず、「ああいたね」と言われる女の子のような存在だった。でも自分の中には、決して忘れえない、やさしい手触りの痕跡を残している。

お疲れ様、リーチコンセンサス。

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絶海に浮かぶ孤独と光

19世紀、アイルランド。何かを振り切るような覚悟で霧深い大西洋に出帆した船には、新天地アメリカへの希望と共に、故郷への深い惜別の念を抱えた移民たちの姿がある。やがて洋上には母国最後の面影となる小さな岩が姿を見せ、彼らの瞳は濡れた。

その岩礁Fastnet Rockは、だから「アイルランドの涙(Irland's Teardrop)」とも呼ばれるのだった。

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いつか届くハガキ 

アイちゃんの仔がダービーに出走したときは、それはもう大騒ぎである。

その日観戦していたメモリアル60スタンド前の芝生で僕の顔を見るやいなや「ハーツが、ハーツが」と、興奮したミカは話し続けた。

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届かなかったハガキ

『宛先に尋ねあたりません』

そうスタンプされて戻ってきた年賀ハガキを底冷えのする玄関でしばし見つめた。去年までは届いていたから転居したということだろう。

アイリッシュダンスを少しだけ思い出すと、冬の空気が少し揺れた気がした。

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机下に無限の宇宙、など

かつて電車通勤の時間はもっぱら読書タイムだったけれど、最近はどうも寝てしまうか、起きていてもスマホで海外競馬の動向チェックなんかに費やすことが多くなった。

そんなわけで買ったものの積まれていく本ばかり増えていく冬であるが、いちおう読了したうち印象深かった本の定期メモ。

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