Fairy Blue の賛否
BodemeisterやGemologisntらの新勢力が現れる一方、本番で有力視されていたUnion RagsやHansenが前哨戦を取りこぼしたことで、今年のケンタッキーダービー路線は俄に混戦模様を呈してきている。
そのHansenが負けたブルーグラスSでは、尾の色を巡る場外戦があったようだ。
そもそもは馬主のハンセン博士が、Hansenの尾を着色して出走させたいと着想したのが出発点。前走ゴーサムSでは実現しなかったカラーテイルを、今回は青く染めて走らせるのが、彼のプランだった。
実際に土曜の朝にはHansenの尾の下半分は鮮やかなロイヤルブルーになっていたそうだが、レース前にパドックへと姿を現した芦毛馬の尾に色は着いていなかった。Mike Maker調教師が、主催者側の人間から「このままならレースに出走させられない」と囁かれ、洗い流してしまったのである。
一方で馬主サイドは、主催者から「除外の対象にはならない」との確認を得たが、携帯電話が繋がらず、その情報は調教師に伝わることはなかった。
キーンランドに詰めかけた4万人という記録的な観衆が通信網を麻痺させたのか、あるいはもともと着色に賛成の立場になかった調教師があえて連絡手段を絶って色を落としたのか、それは定かではない。
いずれにせよ真っ白な馬体で出走したHansenは、Dullahanの追い込みに屈して2着。距離延長への不安とともに、陣営の中に不協和音を響かせたまま、チャーチルダウンズへと向かうことになった。
ハンセン博士は、子供たちが童話に出てくるようなカラフルな尾とたてがみを持ったHansenの絵を描くのを観て、このプランを思いついたという。
個人的には主催者のルールから逸脱せず、競走能力に影響ない範囲であれば許容してもとは思うが、向こうの掲示板などを覗いた限りでは賛否両論。「変わり者」と自ら認めるハンセン博士のキャラも好き嫌いが分かれるところなのだろう。
最後にKYダービー路線で日本絡みの話題をメモ。
ブルーグラスSに出走したTeam Valorのハットトリック産駒Howe Greatは5着。
同日のアーカンソーダービーで圧巻の勝ちっぷりを見せたBodemeisterは*エンパイアメーカー産駒。
連勝で本番に向かう上がり馬Gemologistは3冠牝馬スティルインラブの従兄弟と。
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