指輪の行方
I’ll Have AnotherのベルモントS回避→引退によって今年もアメリカ3冠の夢は潰えた。長距離の輸送を挟みつつの5週間3連戦は、今さら指摘するまでもなく過酷なもので、イギリスとはまた違った文脈で達成が困難なトリプルクラウンであることを痛感する。
そんなこんなで北米のニュースをざっとチェックしていたところ、カナダのBallade Stakesを勝ったAnywhereという牝馬に目が止まった
Anywhereの血統表を眺めてついニヤリと笑ってしまったのは、良血だとか配合だとかという話ではない。
父Where’s the Ringの父系は、Gold Digger(金鉱堀り)→Mr Prospector(探鉱者)→Seeking the Gold(黄金を求めて)と馬名が連なっている。一方、母父はRunnaway Bride(駆け落ち)→Blushing Groom(赤面する花婿)ときて、ブラグルがTake a Pose(ポーズを決める)が配合されてWedding Picture(結婚写真)である。
Seeking the Gold とWedding Pictureの間に生まれたのが、父のWhere’s the Ring(指輪はどこ?)ということになる。そしてその指輪の場所を問われた答えが本馬「Anywhere」(どこかにある)になっている。
まあよく繋がってきたものだと思っていたが、ボトムラインに目をやってオチがついた。
Anywhereの3代母の名はShes Bad Bad Bad。指輪はどこかにあるのでなく、彼女が持って逃げてしまって「どこにもない」に違いない。
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