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2012年9月

エピローグみたいなもの

そもそもは、某Twitterアカが「Minoru=藤井実説」を呟いていて、それ違うのでは?というところがきっかけで。資料集めには少し時間がかかりましたが、プロットを決めた後の骨子の作文そのものは3時間くらいでしょうか。その後、いろいろ付け足していたら1万文字を超えてしまいました。

本文中に記したもの以外で、参考とした資料のうち主なものをあげておきます。

『NIKKEI IMAGES』2010年夏号、2006年夏号

『1910年の日英博覧会日本庭園の歴史と現状について』 大出英子(目白大学)

『縛られた巨人ー南方熊楠の生涯』 (神坂次郎)

『南方熊楠書翰 高山寺蔵 土宜法龍宛1893-1922』 (奥山直司ほか)

『名馬の生産』 (A・S・ヒューイット)

『馬づくり一代』 (遊佐京平)

この他、ネット上の情報としては愛ナショナルスタッドやリッチモンド市の公式HPを始め、国内外の競馬データベースサイトを参照しました。

 

というわけで、自分の興味だけで書いた長文を読んでいただいた方には感謝します。

また気が向いたらこの路線で書くかも知れませんが、多分需要がないよねー

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受け継がれた名前/ミノル譚(完)

<100年の旅路>

カナダ南西部、バンクーバーに隣接するリッチモンド市は、沖合を流れる暖流のために経度に比して温暖な気候で、日本人を始めとしたアジアからの移民も多い街でもある。

そのルル島にあるMinoru Parkの名の由来は、地元でも知る者は殆どいなかった。

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受け継がれた名前/ミノル譚(9)

<開かれた扉>

飯田親子が去ったのち放置されていたTully Studの日本庭園は、第二次世界大戦後の1946年、国立植物園から招かれたPatrick Doyle氏によって再興された。現在はIrene McMahon氏によって管理や手入れがなされ、牧場を訪れる多くの観光客の目を楽しませている。

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受け継がれた名前/ミノル譚(8)

<Minoru Park>

さて、話を1900年初頭のTully Studと飯田親子に戻そう。

1890年代にピカデリーで商売を営んでいた飯田親子が、どのような経緯で名生産者ホール・ウォーカー大佐に招かれたのかは定かでない。キルディアに定住していたのか、それともロンドンと行き来するような生活だったのか、正確なところもわからない。

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受け継がれた名前/ミノル譚(7)

<ダービー馬、その後>

1893年に渡英した飯田三郎は、ロンドンで骨董や盆栽の輸入販売業を営んでいた。

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受け継がれた名前/ミノル譚(6)

<熊楠日記にて>

ロンドンの骨董店に、奇妙な風采の日本人が訪ねてきた。

8月だというのに古びたフロックコートを着こみ、靴には見事な穴が開いている。洗練されたロンドン在住の留学生や実業家とは全く異なった身なりである。

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受け継がれた名前/ミノル譚(5)

<謎の骨董商>

イダ・サブロウとは何者か。

そのヒントは、Kuitert博士が参照元の一つとしても挙げていた資料の中に潜んでいた。

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受け継がれた名前/ミノル譚(4)

<日英博とTassa>

1910年の日英博覧会は、日清・日露戦争を経て大国の仲間入りをした日本にとって、イギリスとの親善を確認し、政治的威信を世界に向けて示すという大きな役割を担っていた。

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受け継がれた名前/ミノル譚(3)

<ジャポネズリーの波間>

Minoruを生産したのは、ホール・ウォーカー大佐のTully Studである。

醸造業者でもあった大佐のサラブレッド生産理念やその実績の詳細は、この稿の目的でないため割愛するが、Cherry Lassや*プリンスパラタインなど数多くの名馬を産み、イギリスのクラシックをすべて勝ったという歴史に名を残す生産者だった。

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