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出る杭が打たれて

大阪の会社員が馬券での利益を申告せずに告発されたという一件は、競馬ネタを超えて一般紙などでも取り上げられていた。

この話題は昔から散発的に議論されてはきたし、自分もいろいろ調べてみたことがあるから、ちょっとまとめておこうかと。

今回の事案を雑駁にまとめるとこうなる。

・3年間で約28億7,000万円の馬券を買い、30億円余の払い戻しを受けていた。
・トータルの利益(約1.4億円)ではなく払戻額(30億円)が一時所得とされた。
・その結果、トータルの利益を超える5億7千万円の所得税を脱税したとして告発。

そもそも馬券での利益は、現時点では一時所得として捉えられている(所得税法基本通達第34条関係)。

同じような状況に陥っている方のブログによれば、税務当局からは「馬券を購入する行為と購入馬券の的中との間には相関関係がなく(中略)偶発性のみに由来する」と指摘があり、仮に馬券で生計をたてていたとしても、それは事業所得としては認められないとの方針が示されているという。つまりいくら研究した結果の的中でも、懸賞金だとか財布を拾って受けた謝礼と同じようなもの、ということだ。

競馬に偶発性が介在するのは自明だ。でも連続的に投資がなされ、継続的な利益が計上されていたとしても、サイコロと同じだという解釈には首肯できないというのが多くの競馬ファンの立場だろう。

一方で、普段競馬をしない人が、好きな数字で買ったWIN5で1億円の配当を得たとしたら、それは事業所得とは言いにくいわけで、その切り分けは簡単ではない。

私は税の専門家でないから実現の可能性はよくわからないが、素人なりに考えられる選択肢は次の通りだろうか。

①馬券の払い戻しは既に20~25%の控除がなされている。そのうち10%は国庫納付される仕組みだから、馬券で得た利益には課税しない(宝くじの当選金と同様の扱い)。
→そもそも論でいえばこれがあるべき姿とは思う

②馬券のみで生計を立てている場合のみ事業所得とし、払戻額ー購入額を利益とする。趣味でやっている人は一時所得で課税。
→大多数の競馬ファンにとっては特に利益なし

③払戻額をすべて一時所得としてみなすが、年間の投資額をすべて必要経費として認める。要は収支マイナスなら所得ゼロ。
→最も現実に合致するし、社会通念上も妥当なところ

④株取引と同じ扱いの申告分離課税にする。
→外れたレースを必要経費に認めるのは無理がありそう

いちばん嫌なのは、仮に③に着地したとして、国税が「では必要経費認めるので、JRAから高額払戻者情報やPAT口座情報もらって残らず補足して、浮いてる人にはちゃんと課税しますわー」となることで、こうなると全馬券購入者が対象になってJRAもファンも死亡する。今回問題となった「車の制限速度オーバー(一時所得)だけど、30キロ超過(デカい利益の人)だけ捕まって、ちょい超えの人は暗黙の了解でセーフ」的な、出る杭は打たれる的な、なんとも座りが悪い日本的な運用とどちらがよいのか、と。まあ年間で特別控除額50万を超えるような利益なんて出していないので、個人的には余計な心配ではあるが。

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