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カラリとした名花

*キャプテンスティーヴやStorm Catなど偉大な競走馬、種牡馬の訃報が相次いでいる中で、自分の「想い」を伴ったモノを書けるのは、やはりエアグルーヴということになる。

*サンデーサイレンス産駒がデビューしたのが95年、JRAの売上がピークを迎えたのが97年、セレクトセールが始まり、日本調教馬が海外G1を初制覇したのが98年。

サンデー産駒の登場を一つの起点として表現すれば、「以前」から「以後」へと、新しいスキームへと競馬が移り変わった時代。93年に生まれ96年のクラシックを走ったエアグルーヴは、本邦の競馬史の大きな転換期に、その輝きを放った名花だった。

個人的には、「以前と以後」では競馬を巡る心象風景には隔絶とも言える違いがあり、双方を繋ぐ競走馬の存在というのはなかなか見つけるのが難しい。エアグルーヴはその中でも印象深い1頭であって、このあたりはまはる殿下。の評伝が我が意を得たりというストライクなのであった。

さて。個別のレースで言うと、もちろん絶望的な不利から一気に差しきったいちょうSや天皇賞もむろん鮮烈なレースなのだが、58キロを背負って牡馬相手に完勝した5歳夏の札幌記念も忘れがたい。相手が格下だったとはいえ、あまりに堂々とした強さに呆れたし、札幌記念から秋のG1へ向かうという伊藤雄二ローテを、一つの定石として認知させたレースでもあった。

そして*トニービン産駒の牝馬が何故か好きだったから、まあ応援をしたのは間違いないが、なぜか勝っても負けても悲壮が伴うような感情はなかった。陽の光を浴び、湿度の低いカラリとした爽やかな思い出としてエアグルーヴは記憶の中で走っている。多分これからもそうだ。

簡単ではあるが、追悼に替えて。

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