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取りこぼす感

麗らかな陽光に誘われて、目白庭園→自由学園明日館→染井霊園と、少し早めのお花見散策に行ってきた。まだ三分咲きとはいえ、何れも宴会客がいないほのぼのとした空気の中で過ごせたのは何より。締めくくりに猫と遊ぼうと足を伸ばした鶯谷の「ねこまる茶房」が臨時休店だったのは残念だったけれど。

帰宅して電王戦と競馬の結果を確認し、ざっとこの1週間の海外競馬ニュースをチェックしていたら、Bertrandoが死亡した事を知る。

Bertrandoはその父Sky WarkerからRelaunch→In Realityと遡るいわゆるマッチェム系の父系で、私が競馬を始めた90年頃の日本ではかなりマイナーなメイルラインになっていた。単純な判官びいきからこの父系の馬を応援していた頃に活躍したのが、89年生まれのBertrandoだった。

カリフォルニア生まれのBertrandoはデビューから三連勝でノーフォークS(G1)を勝利し、アメリカ2歳チャンピオンを決めるブリーダーズカップジュヴェナイルに向かう。ここにはフランスで圧勝を続けた*アラジが遠征して来ていて、いくら「ワンダーホース」でも初ダートならBertrandoに分があると思われたものの、結果は*アラジの圧勝に終わる。

故障で3歳クラシック戦線を途中離脱したBertrandoは4歳時に復活し、パシフィックCCとウッドワードSとG1を連勝。満を持して地元サンタアニタ開催のブリーダーズカップクラシックへと向かい、前走の圧勝ぶりから一番人気(Marquetryとカップリング)に推された。

レースはいつものように逃げたBertrandoが余裕を残して4コーナーをまわり、後続を突き放して完勝するかと思われたが、そこに背後から1頭忍び寄る馬がいた。*アルカングである。

フランスから遠征してきた*アルカングは、同年のイスパーン賞を勝ってはいたが、前走のG3も取りこぼすなど決してトップを張っていた存在ではなかった。欧州からの遠征も初めてでもちろんダート出走の経験もない。いくら名門ファーブル厩舎が送り込んできたとはいえ、北米の本流であるダート2000の最高峰を決める闘いで最低人気に甘んじたのも致し方なかった。

その*アルカングが、本命馬Bertrandoを交わすと2馬身差を付けて、単勝万馬券の大番狂わせを演じたのだった。

*アラジ、*アルカングと2度もヨーロッパからの刺客に屈したBertrando。種牡馬になってから送り出した早熟の天才Officerも、本命で出走した2001年のブリーダーズカップジュヴェナイルで5着に敗れた。勝ったのはヨーロッパからの遠征馬*ヨハネスブルグだったから、歴史は繰り返すものだ。

*アラジ、*アルカング、*ヨハネスブルグの3頭は後年、揃って日本に種牡馬として輸入されている。*アラジは日本ではドラールアラビアンを産んだ程度に終わって再輸出され、*アルカングはアルアランを出したのみ、何れも成功したとは言い難い。*ヨハネスブルグは本邦での初年度産駒が今年の3歳で、仕上がりの早さを武器に短距離戦線を賑わしている。

ちなみにBertrandoの父系祖父Relaunchは私のハンドルネームにもなっているが、Relaunchに特別な思い入れがあるわけではない。強いて言えば*トーヨーリファールやBertrandoとOfficer親子の「大事なトコで取りこぼす感」は好きかもしれない。

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コメント

> フランスで圧勝を続けた*アラジが遠征して来ていて、いくら「ワンダーホース」でも初ダートならBertrandoに分があると思われたものの、結果は*アラジの圧勝に終わる

アラジの「ワンダーホース」呼称って
BCの勝ちっぷりと同時に定着した、
という記憶があるんですけど違いましたっけ……
(と書いてから英語版wikipediaをチラ見するもこれといった証拠ナシ)

現地のめりけん観客に混じって観戦してたんですけど
戦前の「おらがバートランドぉーイチバン」空気が
直線入り口でoh...みたいになったことを
エントリ拝読して、鮮明に思い出しました。

投稿: | 2014年3月30日 (日) 15時03分

私も記憶が定かで無いのですが、確かにBC勝ってからの呼称だったかもしれません(苦笑
まあそういう異名を取ったということで勘弁して下さい。

投稿: りろんち | 2014年4月 6日 (日) 23時18分

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