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藤澤和雄厩舎 思い出の馬 5撰

デビュー間もないころから見続けて来た(そしてずっとファンだった)藤澤和雄厩舎を話し出すと長くなる。
今回はいつもの5撰だけにしておくが、著名馬だけでも選に迷うので、この際「重賞を勝っていない馬」だけでやることにした。

 

第5位 クラヴィスオレア
多田信尊氏は、大樹グループのマネージャー時代にはタイキシャトルやタイキブリザードの海外遠征に奔走。
その後、グローブエクワインマネジメントの代表として山本英俊氏所有馬など多くの優駿の取引にかかわっている。
90年代から和雄厩舎と歩みを共にしてきた、ある意味厩舎の歴史を象徴する人物であろう。
そんな多田氏がオーナーとして和雄厩舎に預託していたなかから1頭。本馬はDrone≒Lady Capuletを持つ母にタイキシャトル後継のレッドスパーダという配合。


第4位 シェーンメーア
同じRoberto父系と雄大な馬格に、和雄師がデビュー前に「シンボリクリスエスの再来」「府中2400が楽しみ」と吹いた。
大御所となった藤澤厩舎には国内外から期待と夢を乗せたの若駒が集まったが、大成せずに競走生活を終えていった馬が大半だ。
しかしそうしたサラブレッドたちもまた厩舎の歴史である。
名を響かせる名馬たちの裏に存在した多くのサラブレッドたちの代表として。


第3位 クロフネミステリー
当時ようやくオープン入りしたばかりの牝馬を、アメリカ東海岸の聞いたことのないダート重賞に遠征させた。
つまりこれは、当時まだノウハウの蓄積が少なかった海外(特に北米)遠征のテストケースとして敢行されたわけで、その馬名が「黒船の謎」というのもなかなか味がある話だと思う。
この経験をベースにしたタイキブリザードのbcは惨敗に終わったがものの、2年後にタイキシャトルがジャック・ル・マロワ賞を勝利して大樹グループと和雄氏の挑戦は結実することになった。


第2位 ヤマトダマシイ
デビュー戦で鮮烈な勝利を飾ったがクラシックへの殴り込みを目指した続く2戦目で故障、予後不良となった。
不慮の事故でこの世を去った馬たちの「無事だったら」は想像しないようにしているが、それでも本馬は30年近く経った今でも「もしも」を考えてしまう。トウカイテイオーに続く、皇帝の2本目の矢としてどんな光を放ったのかな…と。
和雄師の代名詞である「馬優先主義」はヤマトダマシイが厩舎に残したプリンシパル・理念なのだと私は疑わない。


第1位 レディブロンド
デビューがなんと5歳6月の900万条件(現在の2勝クラス)。またたく間に勝ち星を重ね、5連勝で9月末にスプリンターズSに出走した。結果は勝ったデュランダルから0.2秒差の4着。そして引退。生涯で先着を許したの3頭のみ、いずれもG1ホースだった。
新馬が終わり未勝利も終わり、先の見通しもないまま5歳になっても引退しない。そしてデビューしてから引退まで3ヶ月半の眩い輝き。この馬に出資していた濃厚な経験は何事にも変えられない。
良くも悪くも?和雄師らしさを最も戦績で表現した重賞未勝利馬はこの馬だろう。

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