馬*血統

オセアニアで咲いた薔薇

オーストラリアに移籍した日本産馬ブレイブスマッシュが、過日のフューチュリティステークス(G1・芝1400)を制した。これまで高額賞金レースのジ・エベレストでの3着やC.F.オーアS(G1)2着などの実績を残していたが、これが7戦目でウィアー厩舎での初勝利となる。

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もう一つの里帰り

朝日杯FSで2番人気に推されたダーレーのタワーオブロンドン。初めてのマイルで3着に敗れたものの、今後スプリントからマイル路線での躍進が期待できるスピードの持ち主であるのは間違いない。

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塗り重ねられたもの

有馬記念前日の風物詩となっている中山大障害は、オジュウチョウサンがゴール前で差し切り、障害重賞8連勝を飾った。絶対王者を負かしにいったアップトゥデイトの逃げと相まって、「固唾をのむ」という表現がぴったりの素晴らしいレースだった。

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山野浩一さんのこと

SF作家であり、競馬・血統評論家としてもその名を知られた山野浩一さんが亡くなられた。山野さんで思い出すのは、新橋にあったJRAの「関東広報コーナー」のことだ。競馬にハマり、最も知識に飢えていた1990年ころからの数年、何度その広報コーナーに通っただろうか。資料室で読む昔の『優駿』や出版されていないJRAの資料,、そして山野さんの『伝説の名馬』『サラブレッド血統辞典』、などなど。私には理解が届かないものも多かったが、好奇心の海に漂うかのような心地よさは、今でも忘れえない経験である。

そして久しぶりに「血統理念のルネッサンス レットゲン牧場における系統繁殖の研究」を引っ張り出して読んでいる。山野さんが1986年から『優駿』に連載した記事で、「世界規模の空間によって構成される」アメリカ式馬産と対照的に「歴史を通じて時間的に展開する」ドイツ式馬産の理念と実践を丁寧に紹介したこのテクストは、一部マニアに多大な影響を与えたことでも知られる。山野さんの訃報を受けて望田潤さんと話していたら「血統オタの多くをドイツ血統オタにさせたすごい読み物」と評されていたが、確かにそのとおりだ。

その連載第2回では、レットゲン牧場の牝系の一つとして、ハンガリーが誇る無敗馬キンツェムに遡る「Wライン」が紹介されている。1936年生まれのヴァッフェナルトを中興の祖として戦後多くの名馬を産んだ牝系だが、記事中で紹介されているドイツ1000ギニー馬ウエルプローヴドの末裔であるヴィントシュトースが、今年のドイツダービーを勝った。

ウエルプローヴド(Well Proved)はドイツ式馬産の「良き証明」であると山野さんは文中で補足しているが、その言葉はそのまま、競馬評論・血統評論のジャンルに篝火を掲げ続けた山野浩一さんの偉大なる功績に捧げたいと思う。

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気まぐれな間欠泉

京都記念は、サトノクラウンが先行力を活かしてマカヒキらを押さえ込み、見事な連覇となった。今ではすっかり冬の風物詩として定着したその京都記念だが、1983年までは春と秋に開催されていた事を知るファンも今では少なくなった。

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マーティンボロの広い空

ニュージーランドの首都ウェリントンから北東に車を走らせ、タラルア山脈の深い山道を抜けると、広い空に抱かれた風景が広がる。そのワイララパ地方の小都市マーティンボロが名を知らしめるのは、フランスのブルゴーニュ地方に酷似した気候が作り出すブドウ、そしてブドウから作られるワインのクオリティの高さゆえだ。

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ダービーの高揚

日本ダービーの出走馬が確定し、出資馬アジュールローズがその中の一頭に名を連ねた。

5年ほど前まで、お手頃価格の牝馬から掘り出しモノを見出すことをひとつのテーマにしていて、ローガンサファイアやバウンスシャッセ、マーブルカテドラルなどは、この系譜になる。
その後、牡馬の中距離馬を狙っていこうと考え、現3歳は4頭をすべて牡馬にした経緯があった。

そうした中でアジュールローズは「ヴィクトワールピサ産駒が走るのはこういうタイプの配合ではないか?」という仮説を立てて出資しただけに、初球のストレートを左中間にキレイに打ち返したような気持ちよさである。

とにもかくにも、ダービーに出資馬が出走するのは初めての経験。
牝馬の桜花賞と牡馬のダービーは、やはり他のレースとはちょっと違う高揚感があって、週初からソワソワしている。

相手はさすがに強いが、晴れの舞台、しっかりこの目で見届けてきたいと思う。

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曲がりくねった流れの先

来春に定年を迎える松田博資調教師にとって、ラストインパクトは文字通り最後の有馬記念出走となった。ベガやアドマイヤドン、ブエナビスタなど数多の活躍馬を輩出した功績は、その独特の風貌と共に競馬ファンの記憶に深く刻まれている。

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本物の輝き

日本調教馬の海外遠征史でも異彩を放っているのは、1967年にブラジルに遠征しサンパウロ大賞典を走ったハマテッソだろう(結果は11着)。今では当たり前のように行われるヨーロッパ遠征は、平地馬としては69年のスピードシンボリが初めてであり、ハマテッソはそれに先駆けて遥か南米で蹄跡を残したわけである。騎乗した中神輝一郎騎手が帰路に姿を消すという怪事件のオマケ付きだった。

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趣き深い安田記念馬

人名というヒントだけで言えば、その由来はルパンを産みだしたモーリス・ルブランかもしれないし、モンマルトルに眠る画家モーリス・ユトリロかもしれない。またはキックボクサーのモーリス・スミスや陸上選手のモーリス・グリーンだって可能性はある。父が「銀幕の英雄」であることを踏まえれば、同性愛を描いた映画モーリスか、あるいはフランスの映画監督であるモーリス・ピアラあたりが有望だろうか。

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