苦くも暖かき
思い返せば21年前、晴天で行われたダービーもこの目で観ていた。鮮やかに涼やかにゴールを駆け抜けたトウカイテイオーから遅れること9馬身、シャコーグレイドの鞍上では若き日の蛯名正義が鞭を振るっていた。
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思い返せば21年前、晴天で行われたダービーもこの目で観ていた。鮮やかに涼やかにゴールを駆け抜けたトウカイテイオーから遅れること9馬身、シャコーグレイドの鞍上では若き日の蛯名正義が鞭を振るっていた。
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オルフェの天皇賞を終えて、自分の中であれこれ考えたり、TwitterのTL上で断片的に呟いてたことなんかを、ざくっと文章にしておこう。
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日本ダービーというレースは途方も無い磁力を放ち続けているのと同時に、少しばかり気まぐれなところがある。上田清次郎、メジロ牧場、岡田繁幸らのビッグネームが足掻きながらも届かないその名誉は、ディープスカイやロジユニヴァースの馬主に対してはいささか唐突に届けられた。
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あの3コーナーでの出来事は、おそらく観る者の立ち位置や競馬観によって千差万別の感情と解釈とを生み出したように思う。オルフェーヴルの無事を安堵するファンがいれば、騎手と陣営の戦術眼を批判する意見があり、スリリングなレースで楽しかったと笑みを浮かべる者もいた。
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さて、小川敏夫氏である。
まあ自分は競馬ファンの中でも「大臣が競走馬のオーナーだった」ではなく「あのイタリアンカラーの馬主が大臣になった」という認識の世代なので、今回のアレは奇妙な感慨みたいなものがあったりした。
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いろいろと想いがある一頭だったので、軽く書いておく。
キャロットで出資していたリーチコンセンサスが引退した。
2歳夏のデビュー以来、大きな故障もなく走り続けること31戦というキャリアの意味は、特に一口をやっている方にはよくわかっていただけるだろう。そして4勝という勝ち鞍以上に、負けたレースでもいつも懸命に追い込む健気さ(と、もどかしさ)が好きだった。掲示板に乗ること実に24戦、6着以下となった7戦も最後のダート戦を除けば勝ち馬からすべて1秒以内という堅実さである。
その結果、1600万円の募集価格の彼女が獲得した本賞金は約1億1千万円に達し、この文章を書いている時点で、80頭近い同期キャロットの中で回収率トップだ。なんという出資者孝行だろうか。
同期のブエナビスタが走り抜けた華やかな舞台からには縁遠く、重賞にすら出走したことはないリーコンは、例えればクラスの中でも目立たたず、「ああいたね」と言われる女の子のような存在だった。でも自分の中には、決して忘れえない、やさしい手触りの痕跡を残している。
お疲れ様、リーチコンセンサス。
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アイちゃんの仔がダービーに出走したときは、それはもう大騒ぎである。
その日観戦していたメモリアル60スタンド前の芝生で僕の顔を見るやいなや「ハーツが、ハーツが」と、興奮したミカは話し続けた。
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『宛先に尋ねあたりません』
そうスタンプされて戻ってきた年賀ハガキを底冷えのする玄関でしばし見つめた。去年までは届いていたから転居したということだろう。
アイリッシュダンスを少しだけ思い出すと、冬の空気が少し揺れた気がした。
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競馬にコミットすることになったキッカケや関わり続けているモチベーションというものは、内的/外的いずれの面においても、100人のファンがいれば100通りの答えがあるわけで、そこに普遍性などは求めようもない。
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倉海柚多さん編集による競馬電子雑誌『よみうま!創刊号』が公開されました。
刊行にあたり、当blogでかつて書いた早田牧場略史を取り上げたいというありがたいお話をいただき、参加をさせてもらいました。
今読み返しても稚拙で恥ずかしさも覚える文章ではありますが、素人らしくてそれもよかろうと、若干の加筆修正でそのまま載せてもらっています。
感想、叱咤、要望などあれば、コメントでもTwitterでもぜひ。
そして今後も『よみうま!』にぜひともご期待ください。よろしくお願いします。
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