馬*その他

語り継ぎたいヒーロー列伝(後)

第3位を発表する前に、列伝に入っていない名馬についても触れておきたい。例えば歴史的スプリンターのサクラバクシンオーや悲運の快速馬サイレンススズカ、牝馬3冠スティルインラブらの名がない。また1970年生まれ以降のJRA顕彰馬の中では唯一、日本調教馬の地平を切り開いた*エルコンドルパサーが漏れている。それぞれ理由はあろうが、何かの機会に制作されてもよいと思うところはある。

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語り継ぎたいヒーロー列伝(前)

JRAが歴代の名馬をポスターにした「サラブレッドヒーロー列伝」は、1981年のハイセイコーから2018年のオジュウチョウサンまで82作品が制作されており、競馬場などで目にする機会も多い。今回はその中から、筆者の個人的お気に入りのベスト5を取り上げてみたい。なお、画像は大人の事情で直接貼れないので、こちらのJRAのギャラリーを参照のこと。

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誰もが知っている

3年前の2015年、名馬さん(@maybaelectric)が制作した同人誌『皿ブレッド』に、10篇のコラムを寄稿させていただきました。そのうちサイレンススズカについて書いた拙文を再掲します。

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あの作家風に書けばこんな感じの観戦記

レーシング・プログラムの向こう側には、2018年の初夏の空が広がっていた。
「20年前と同じだ」
僕はスタンドの売店で買ったアイスコーヒーを啜りながら言った。    
「そのときあなたは何に賭けたの?」 と彼女は尋ねた。

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ピカレスクコート

競馬を題材とした小説は古今東西あるが、その多くは騎手を始めとする競馬関係者を巡る物語であることが多い。例えば「本命」「大穴」など2文字シリーズで知られるディック・フランシスの作品群、あるいは映画化された宮本輝の「優駿」、蓮見恭子の「無名騎手」「女騎手」などがその代表例としてあげられよう。

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二ノ宮厩舎 私的5撰

かねてからウワサがあったとおり、二ノ宮調教師の勇退が明らかとなった。体調などが理由とのことで残念ではあるが、彼が本邦競馬史に残した足跡の「深さ」はこの先も語り継がれることになるだろう。個人的にも好きな調教師のひとりであった二ノ宮師の私的な5撰を。

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シゲルサラダ

よし、サラダを作ろう。

「シゲル」「ブルベア」軍団の勝ち上がった野菜を使ってサラダを作ろうと思い立ったのは、単なる気の迷いです。真夏の暑さのせいとも言います。運が良ければ10種類くらいの具材で楽しめるかな。そう思っていた私が、後にG1よりも出資馬よりも野菜たちの走りに一喜一憂するとは予想だにしなかったわけです。要はシゲルとブルベアを舐めていたのです。

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自信とプライド

天皇賞の前日、橋田厩舎ファンの友人と並んで、ポツポツ降り始めた雨に濡れる府中の芝コースをスタンドから眺めていた。秋華賞でディアドラを勝利に導いたルメールの騎乗は今年のベストライドだったね、そんな話をしていた私だが、まさか翌日それを凌駕するようなシーンを見ることになるとは思ってもいなかった。

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タングルウッド物語

3歳牝馬にしてキングジョージと凱旋門賞を圧勝した名牝、Enable。その父NathanielもキングジョージやエクリプスSを制した名馬であるが、Nathanielという馬名の由来は、実質的な馬主であるロスチャイルド夫人の一人息子だったそうだ。

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山野浩一さんのこと

SF作家であり、競馬・血統評論家としてもその名を知られた山野浩一さんが亡くなられた。山野さんで思い出すのは、新橋にあったJRAの「関東広報コーナー」のことだ。競馬にハマり、最も知識に飢えていた1990年ころからの数年、何度その広報コーナーに通っただろうか。資料室で読む昔の『優駿』や出版されていないJRAの資料,、そして山野さんの『伝説の名馬』『サラブレッド血統辞典』、などなど。私には理解が届かないものも多かったが、好奇心の海に漂うかのような心地よさは、今でも忘れえない経験である。

そして久しぶりに「血統理念のルネッサンス レットゲン牧場における系統繁殖の研究」を引っ張り出して読んでいる。山野さんが1986年から『優駿』に連載した記事で、「世界規模の空間によって構成される」アメリカ式馬産と対照的に「歴史を通じて時間的に展開する」ドイツ式馬産の理念と実践を丁寧に紹介したこのテクストは、一部マニアに多大な影響を与えたことでも知られる。山野さんの訃報を受けて望田潤さんと話していたら「血統オタの多くをドイツ血統オタにさせたすごい読み物」と評されていたが、確かにそのとおりだ。

その連載第2回では、レットゲン牧場の牝系の一つとして、ハンガリーが誇る無敗馬キンツェムに遡る「Wライン」が紹介されている。1936年生まれのヴァッフェナルトを中興の祖として戦後多くの名馬を産んだ牝系だが、記事中で紹介されているドイツ1000ギニー馬ウエルプローヴドの末裔であるヴィントシュトースが、今年のドイツダービーを勝った。

ウエルプローヴド(Well Proved)はドイツ式馬産の「良き証明」であると山野さんは文中で補足しているが、その言葉はそのまま、競馬評論・血統評論のジャンルに篝火を掲げ続けた山野浩一さんの偉大なる功績に捧げたいと思う。

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